薬物動態学と薬力学
※文章中、[ ]内の参考文献については、参考文献よりご確認ください。
薬物動態学
アルファキサン® マルチドーズ投与後、アルファキサロンは速やかに肝臓で代謝され、胆汁及び尿中に排泄されます[22]。
犬と猫に常用量(犬2㎎/㎏、猫5㎎/㎏)を単回投与した場合のアルファキサロンの薬物動態パラメーターを下表に示します[23]。
犬と猫における薬物動態パラメーター
2mg/kg(n=8)
クリアランス Clearance
(mL/kg/分)
59.4
分布容 Vdarea(L/kg) 2.0
半減期 T1/2(分) 34
5mg/kg(n=8)
クリアランス Clearance
(mL/kg/分)
24.0
分布容 Vdarea(L/kg) 1.3
半減期 T1/2(分) 43
アルファキサン®︎ マルチドーズは、アルファキサン®︎との生物学的同等性が確認されています。以下では、アルファキサン®︎の投与データを示します。
薬力学
麻酔
アルファキサン®を静脈内投与した場合、動物の全身状態、併用薬、投与量によって意識消失時間に個体差が生じます。一般的に、侵害刺激がなければ、前投与薬を使用していない健康な犬に2㎎/㎏を静脈内投与した場合は10分間程度、麻酔状態になります[5]。
また、前投与薬を使用していない健康な猫に5㎎/㎏を静脈内投与した場合は25分間程度、麻酔状態になります[4]。
必要に応じて、麻酔維持のための吸入麻酔薬(イソフルランなど)を吸入させるか、もしくは、アルファキサン®を追加投与することによって麻酔時間を延長することができます。鎮静薬や鎮痛薬を併用すると、アルファキサン®の用量を少なくすることができるほか、麻酔時間を調整することができます。
循環呼吸系への影響
1.血圧に対する影響
アルファキサン®を用いて麻酔導入した犬と猫で血圧は臨床的に許容可能な範囲に維持されました[24][25]。
●犬における麻酔期別の収縮期血圧の平均値(多施設臨床試験)[24]
●猫における麻酔期別の収縮期血圧の平均値(多施設臨床試験)[25]
2.呼吸数に対する影響
アルファキサン®を用いて麻酔導入した犬と猫では自発呼吸と共に呼吸数は臨床的に許容可能な範囲に維持されました[24][25]。
●犬における麻酔期別の呼吸数の平均値(多施設臨床試験)[24]
●猫における麻酔期別の呼吸数の平均値(多施設臨床試験)[25]